私はITベンチャー企業の情報システム部門に所属していて、Salesforceの保守・運用・簡単な開発・改修を担当しています。今の会社に入社するまではシステムとは全く関係ない編集関係の仕事をしていたのですが、将来のことや働き方のことなどを考えてIT業界へ転職をしました。ですので知識・スキルは0からのスタート。そんな私がスキルアップのために育児・家事・仕事と両立させながら資格勉強をして合格することができたので、同じような環境の方の参考になるように記事を書いていきたいと思います。「Salesforceとは」の部分や「資格」についての説明は他の多くのブログで記載されているので、資格を受けて良かったことや対策についてが主な内容となります。
- 認定アドミニストレーター資格を取得しようと考えている方
- 資格取得のメリットを知りたい方
- 勉強方法を知りたい方

こちらは合格した時に送信されてくるレポートです。スコアの差が激しいです・・。

受験の経緯
実務で役に立たせるため
前述した通り、私は情報システム部でSalesforceの運用保守などを担当しています。それ以外にもヘルプデスク対応として、社員の方からSalesforceの使い方でわからないことや、エラーについて、レポートの作り方についてなど様々な問い合わせに対応しています。その時に、知識がないとスムーズに返答できない、エラーを解消させることができない、など色々と不便な場面が多いです。また、改修依頼を受けたときによりベストな設定で進めたいため、Salesforceの基礎を勉強して日々の実務で役立たせるために認定アドミニストレーターの資格勉強を始めました。
社内での評価を得るため
会社の情シス部門は私を含め3名のメンバーがいるのですが、Salesforce担当は私のみです。そのため基本的にSalesforceに関することは全て私が対応するのですが、他の社員よりちょっと詳しいだけで(毎日触っているから)、私としても自分で調べれば出てくるような答えしか知らないのです。特にIT業界未経験・開発経験なしの私なので、業務に関して自信もなく、もっと堂々としていたい!安心して任せてもらえる人材になりたい!と思うようになり、資格取得を目指すようになりました。
実際、資格を取得してから上司からの信頼は厚くなったと思います。まず資格取得により査定が上がって、プロジェクトメンバーにも選出してもらえるようになりました。また、なんでこのエラーが出るんだろう・・という時も、今まではヘルプで調べたりTrailblazer Communityの過去投稿などを参考にしたりなど、めちゃめちゃ調査に時間がかかっていたのですが、勉強したことによって、内容が頭に入っていたのですぐにエラーを解消させることができ、自信にもつながりました。
転職に有利になるため
Salesforceは、世界中の企業に使われているCRM・SFAツールです。Salesforceを導入している企業は多く、よく知られている大企業でも使用されています。

Salesforce市場は今後も伸びていくと言われていますし、Salesforce管理者としての市場価値はさらに高くなっていくのではと考えられています。

そのため、今後もし転職することになってもSalesforce資格を持っておいて損はないし、むしろ優遇される可能性もあると思っています。ただ、Salesforce資格は、資格だけ持っていてもあまり意味がなく、資格を活かして実務で経験を積むことが、自身の価値を高めていくことができる道だと考えます。
勉強方法
Salesforceは資格取得のための問題集や書籍などがとても少ないです。主にはSalesforceの専用学習ツール、Trailheadで勉強していくことになりますが、それだけだと非常に効率が悪いため、他も使用しながら勉強を進める必要があります。私の勉強方法は以下です。
Trailheadで大枠を理解する
Trailheadとは、Salesforce社が提供する無料のオンライン学習サービスです。ハンズオン形式でSalesforceの製品を実際に触って勉強することができて、問題をクリアしていくごとにもらえるバッジを集めて自分自身のレベルを上げていくことができます。
初めて勉強する設定や理解が浅い分野などはTrailheadで触ってみて大枠を理解していきました。また、「認定アドミニストレーター試験対策」のTrailmixもあるので、この試験対策は一通り終わらせたほうが良いかと思います。ただ、このTrailheadは量も多いし、実際に設定をしていかなくてはいけないので時間がかかります。すでに理解している分野についてはTrailheadで勉強する必要はないかなと思います。
有志サイトを活用して問題を解きまくる
公式ではないですが、認定アドミニストレーター試験の問題を集めたり、作成してくれているサイトやブログなどがありますので、その問題を解きまくりました。私が活用させていただいたサイトは下記になります。




ただし、いずれも公式ではないため、正確性は保証されていないですし、Salesforceはアップデートもあるため問題自体が古い場合があります。ヘルプと併せて確認していくことが大事になるかと思います。
間違えた問題はヘルプを見て理解する
間違えた問題は各サイトの解説だけではなくて、必ずSalesforceのサクセスナビや公式ヘルプで確認するようにしました。

ヘルプは辞書見たいな役割で、ヘルプの中でわからない言葉や内容があったら、またヘルプの中で検索して確認していきました。
▼サクセスナビ

▼公式ヘルプ
暗記系は紙に書いて繰り返し覚える
認定アドミニストレーターの問題は実際のケースに沿った問題が多いため、1問1答のような問題は少ないです。しかし出題されたら超ラッキー!絶対間違えないためにも、暗記系は必ず答えられるように暗記しました。

そもそもその言葉や仕様の意味を知らないと答えられない問題も多いです
公式模試を繰り返し解く
Trailheadにあるインタラクティブ型模擬試験で実際のテストで出題されるような形式で試験を受けることができます。10回以上はやったと思いますが、同じ問題も何度か出てきます。ここで間違えた問題をまたヘルプで確認して・・と繰り返していきました。

日本語が分かりにくすぎますが・・慣れていってください涙
1日の流れ、勉強時間
1日の流れ
育児と家事と仕事と試験勉強の両立は、かな〜りしんどいです。勉強できる時間が取れないとイライラしてきちゃうし、でもなんとかして空いた時間を有効活用して勉強していました。
1日のスケジュールは大体こんな感じです。勉強は朝の1時間程度しかできていませんが、仕事でSalesforceを使用しているので、業務中も必然的にSalesforceの勉強をしているようなものになっています。
5:00 起床 勉強開始
6:30 娘起床 朝ご飯作り 一緒にご飯を食べる
7:00~8:30 娘と家で遊ぶ
8:30 登園
9:00 仕事開始
12:00 昼ごはん
17:30 仕事終了
18:00 保育園にお迎え
18:30 夕飯準備
19:15 ご飯を食べる
20:15 お風呂
21:00 娘と一緒に就寝
そして、夫は出社で私は在宅勤務のため起きてから寝るまでフルワンオペです。娘がいる時は1秒も自由時間がないので、休日も同じようなスケジュールです。もちろん疲れ果てて朝早く起きられなかったり、思いがけず娘が早起きで10分しか勉強できなかったりする日もザラにあるのでいつもこのスケジュールではありません。

夫は帰宅時間も遅いので、帰りを待たずに寝ますwかろうじてご飯は作っておきますが・・
勉強期間について
勉強期間は約3ヶ月です。10月初旬に受験しましたが、本格的に試験勉強を始めたのは7月中旬くらいからです。とりあえず問題を解きまくることから始めて、問題解く→間違えた問題を復習するを1.5ヶ月くらいしていました。間違えた問題でどうしてもイメージできなかったり理解できないものはTrailheadでハンズオンチャレンジしたり、モジュールの問題を解いたりしていました。最後の1ヶ月は、ひたすら模擬試験と苦手分野の問題を解きまくって受験に向かいました。
Salesforce認定アドミニストレーター取得のメリット・デメリット
そんな私が考えるSalesforce認定アドミニストレーター資格受験のメリット・デメリットはこちらです。
- 実務で役立つ
- 社内評価が上がる
- 転職活動でSalesforceの基本知識があることを示せる
- 受験料が高額
- 学習のための資料が少ない
- 日本語訳が微妙すぎて混乱
一番良かった点はやっぱり実務に役立つことです。体系的に学ぶことで理解が深まりました。また自分のスキルを上げることで、多くの人の役に立つことができ、それを評価してもらえる という良いサイクルを生み出すことができます。
逆にデメリットもあると思いました。
認定アドミニストレーターの受験料
2025年2月時点では認定アドミニストレーター資格の受験料は30,000円(税抜)となっています。

これが高いのか安いのかわからないのですが、私にとっては高く感じたので(そして会社では特に受験料負担などはなかったため)、絶対に何がなんでも落とせませんでした。

でも、勉強をしてみて言えることは30,000円の価値はあったなと思います
学習ツールが少ない
Salesforceの製品について学ぶツールは複数ありますが、資格取得のための学習ツールは他の資格に比べて少ないなと感じます。本で勉強したいタイプの方などは少し抵抗があるかもしれませんが、何よりも実戦を大事にしているので、やっぱり環境を触って動かしてみるというのが大事なんだなと感じました。
色々な学習ツールの日本語訳が微妙で分かりづらい
基本的にはヘルプの内容や模擬試験は英語で表示されます。英語ができない私はGoogle翻訳で日本語訳にして勉強していました。英語を勉強してこなかった自分が悪いのはわかっています。ですが、問題文の中でも、「商談」が「機会」になっていたり、「入力規則」が「検証ルール」だったり・・とバラバラなので、最初はまず問題文を理解することがとても大変でした。大体、バラバラなパターンは何個かあって、数をこなしていくと慣れていくのですが、これは結構盲点でした。
まとめ
以上が、私がSalesforce認定アドミニストレーター資格の受験対策や受験して感じたこと・良かったことです。この受験で一番大変だったのはやっぱり勉強時間の捻出です。出産してから自分の時間はほぼ0ですし、娘との時間を一番に考えたい気持ちはとてもあります。母親が資格取得って無理だよな〜とかやっぱりやめようかなあとか思うことは何回もありました。でも親である私自身が色々なことに対して諦めてしまっていたら、それは娘に対して示しがつかないと思いました。娘もこれからの人生で挫折しそうなこと、逃げたくなること、いっぱい出てくると思います。もちろん逃げることだって時には大切だしそれは全然悪いことではないですが、「本当は頑張りたいけど諦めたほうが楽だからやめたい」そんな気持ちの時に、心から応援してあげたい!そのためには母親の自分も諦めちゃダメだ!という気持ちで自分を奮い立たせながら頑張りました。

かの有名な「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ!」ばりの気力です
目標を達成すると自信にもつながります。そしてもっと自分を好きになれます。自分を好きになれると人に優しくできます。地球を救います。
Salesforce資格はまだまだ上位資格がたくさんあります。次は認定Platformアプリケーションビルダーの資格を取得できるように頑張っていきます。